ここでは、細胞性免疫における細胞殺し について「パッと見てわかる説明」を行います。
細胞の中ではいろいろなタンパクが作られています。
また、細胞は外からタンパクを内部に取り込むこともあります。
全身の細胞は、そうしたタンパクの断片(アミノ酸10数個からなるペプチド)を作り、MHC class I という装置に載せて、細胞膜上に提示しています。
細胞性免疫で働く「キラーT細胞」は、いろいろな細胞のMHCに載ったペプチドを点検して廻っています。
ウイルスが細胞に感染すると、ウイルス特有のタンパク産生が始まります。
細胞は、そうしたウイルスのタンパクも断片を作りMHCに載せて細胞膜表面で提示します。
液性免疫において抗原と抗体が基本的には「1:1」で対応したように、細胞性免疫でも抗原に相当するものと1個のT細胞が持つ識別装置との間には「1:1」の対応があります。
1個のキラーT細胞は、(基本的には)1種類のペプチドにだけ対応しています。
キラーT細胞は、自分が識別を担当するペプチドを載せたMHCを見つけると、それを提示している細胞を殺します。
殺し方にはいろいろあり、鉄砲を撃って細胞膜に穴を開けたり、自殺を指示したりするようです。