新型コロナ感染症 COVID-19 では強い胃腸症状(吐き気、嘔吐、腹痛、食欲不振、下痢など)の起こることがあります。
この傾向は、2024年初めから流行の拡大した JN.1 系統ではさらに強まっているようです。
最初の数日間は、何も食べなくても栄養的には大丈夫です。
数日間栄養をとらなくても、ふだんの備蓄分で何とかなります。
しかし水分と塩分は予備が少なく、がんばって補充する必要があります。
OS-1(経口補水液)、ポカリスエット、アクアエリアスなど(スポーツドリンク)の塩水を飲みましょう。
もちろん、水を飲んで塩類は梅干しや塩飴で補充するのでもかまいません。
補充すべき塩類は主に食塩(NaCl:塩化ナトリウム)ですが、カリウムやマグネシウムなど海塩に含まれる色々な塩類を含むものが良いでしょう。
下痢が多いときは特にカリウムが多く失われるので、カリウム補充も意識してください。
塩分は摂りすぎにも注意が必要です。うまく管理できそうにないときは経口補水液などを利用しましょう。
吐き気が強いときは、こうした塩水をチビリチビリと小口にわけて飲むようにしましょう。
冷たい塩水を一気にたくさん飲むと、胃が冷えて働きが悪くなります。水分の吸収効率が低下するだけでなく、嘔吐しやすくなる恐れもあります。もちろん少量であれば冷えた塩水でも問題ありません。
1日に飲む塩水の量は、毎日の尿量や排尿回数を目安にして下さい。
毎日の排尿2回以上は、最低限の達成目標です。これを下回ると脱水症や腎不全になる危険性が高まります。
できれば、毎日の排尿4回以上を目標として塩水を飲みましょう。
最初の数日間を過ぎたら、水溶性ビタミンの補充を心掛けましょう。
ビタミンB類やビタミンCは水に溶けやすいので水溶性ビタミンと呼ばれています。
これらは尿の中にもたくさん排泄されやすく、身体内に蓄えは多くありません。
したがって、なかなか普通の食事に戻れないときは、フルーツを食べたり、ビタミン入りのゼリーや栄養ドリンクを飲んだり、ビタミンのサプリメントを服用したりして補充しましょう。
「水溶性ビタミン 脂溶性ビタミン」などでネット検索してみてください。
参考:水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの違いって何?それぞれの種類と名称
お粥(おかゆ)などを食べることが出来るようになったならば、3大栄養(糖質・タンパク・脂質)のバランスの良い摂取に取り組みましょう。
胃腸が弱っているので、最初は糖質中心で良いようです。
吐き気が弱まると、早く回復させようと焦って、おなか一杯食べる人がいます。
胃の筋肉は弱っていて、とても元気に動いて消化活動を営むことはできませんから、食べ過ぎるとおなかが張って体調がかえって悪化します。
吐き気が弱まって食欲が出始めても、最初は「腹五分」くらいに食事量を抑えた方が良いでしょう。
「胃腸の負担にならない食物」などでネット検索してみてください。
参考:食べ物は何時間で消化される?消化時間の早い食べ物とは?
参考:食べ物の消化時間
参考:消化の良い・悪い食べ物一覧!消化時間がかかる&胃腸にやさしい食事とは?
参考:消化が良く胃に優しい食べ物は?【レシピ19選】おなかに負担をかけないごはんやスープメニューをご紹介
ビタミンA、D、E、Kなどは水に溶けにくく、油(脂)には溶けやすいので、脂溶性ビタミンと呼ばれています。
脂溶性ビタミンは内臓や脂肪組織に備蓄が多くありますが、食欲不振が長引くときは早めに補充を考えた方が良いでしょう。
脂溶性ビタミンは尿中に排泄されにくいので、摂りすぎるとビタミン過剰症になります。
過剰摂取に注意しましょう。
「ビタミンD過剰症」などでネット検索してみてください。
参考:水ビタミンDの副作用 ビタミンDが多すぎることによる6つの兆候と副作用